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【eKYC導入の手引き】導入検討のポイントから導入までの流れ

  • eKYC

公開日 2024.3.13

更新日 2024.3.13

eKYCを導入するにあたって、どのように進めればよいのか、どのようなチームで臨むべきか、不安に思われる事業者様もいらっしゃることと思います。eKYCの導入を検討されている方に向けて、eKYC導入までのプロジェクトの進め方をご説明します。

eKYC導入時の検討ポイント

はじめに、eKYC導入時の検討ポイントをみていきましょう。

【検討ポイント1】対応する本人確認方法

改正犯収法では本人確認方法として「ホ」「ヘ」「ト」「ワ」「チ」「リ」と複数の方式を認めています。すべての確認方法に対応する必要はなく、現在最も多く使用されている方式は、顔写真と本人確認書類上の顔情報を照合させる「ホ方式」となっています。

提供するサービスの内容やターゲット(利用者)などを考慮して選ばれるとよいでしょう。それぞれの本人確認方法の詳細と選び方については下記の記事をご覧ください。

【検討ポイント2】対応する本人確認書類

本人確認に使用する本人確認書類としては、「運転免許証」「マイナンバーカード」「在留カード」の3つが現在の主流となっています。一部では健康保険証を使用するケースもありますが、オンラインのみでは本人確認が完結しないため、考慮が必要です。

【検討ポイント3】本人確認の提供チャネル

本人確認を「アプリ」で行ってもらうのか、「ブラウザ」で行ってもらうか、あるいは店舗対応などの「リアルでの対応」も含めるのかといった提供チャネルを選びます。「店頭端末」「営業端末」は対面でタブレット端末等を用いて行う場合を指しています。

通常、対面で対応する場合にeKYCは不要ですが、あえて導入したいというご要望もいただきます。たとえば、目視では明らかに本人でないと思える書類を持参した方から申し込みを受けた場合でも、ご本人を前にして虚偽であることを断言するとトラブルにもなりかねません。あえてeKYCを利用することでシステムによるエラー判定によって申し込みを受け付けないといったことができます。eKYCを活用することで、お客様とのやりとりを円滑にすることもできるのです。

「提供チャネル」は、「対応する本人確認方法」と同様、サービス内容や利用者側の使い勝手を考慮して検討するのが得策です。

提供チャネルの選び方についても、こちらの記事で詳細をご説明しています。

eKYCの組み込み方の違い(アプリ/ブラウザ)

※以下の開発仕様はPolarity eKYCの場合

アプリ版とブラウザ版のeKYCの組み込み方の違い。ポラリファイでは、アプリ版にはSDK(ソフトウェア開発キット)+サンプルコード、ブラウザ版では本人確認の撮影用画面を提供。

【検討ポイント4】本人確認事務手続きの効率化(運用負荷の軽減)

eKYC導入に伴って事業者様の運用負荷を抑えられるいくつかの機能をオプションとして追加することができます。

たとえば、eKYCでは免許証等を撮影しますが、それらに印字されている文字を読み取って、システムに登録できるテキストデータとして取り込むような入力支援(OCR)が可能です。人手をかけて確認書類の情報を入力し取り込む手間を抑えることができます。

その際に、条件欄にある機微情報(障がい者の方が運転することができる自動車の種類等)を自動マスキングすることもできますし、免許証のフォントや、印字内容、印字位置などによって偽造かどうかを自動判定することも可能です。

【検討ポイント5】セキュリティとユーザビリティ(認証精度と離脱対策)

セルフィの顔写真と本人確認書類上の顔情報の照合を厳格化することでセキュリティ強度は高まりますが、正しく本人が手続きをしているにもかかわらず否認されるケースが多くなり、本人拒否率が高くなります。セキュリティとユーザビリティはトレードオフの関係にあるため、そのバランスは実務の中で判断をしていく必要があります。

また、免許証等を持っていない利用者や、セルフィ(自撮り)を嫌がるような利用者に対して、ほかの本人確認方法へ誘導することも検討するべきでしょう。利用者の離脱原因に対しては、可能な範囲で別の解決策を設けて、離脱を最小化することが重要となります。

細かな点とはなりますが、提供中のサービス利用画面からeKYC画面(本人確認画面)に遷移した際に表示される画面のデザインや表示メッセージをある程度そろえておくこともポイントです。本人確認画面に進むと急にシステム管理画面のような、通常画面とは違ったデザインが表示されると、一般的な利用者は「このページで手続きを進めて大丈夫かな」と不安を持つ場合も多く考えられます。

想定できる利用者の不安や懸念を抑えられるように機能と画面を設計することがポイントです。「Polarify eKYC」では、このような画面フローやデザインにおいても柔軟に対応しております。

Polarify eKYCの離脱対策の例

  • 本人確認書類の選択やセルフィ撮影要否といった柔軟な画面フローに対応
  • 画面のトーン&マナーや利用ガイドページは、事業者向けカスタマイズが可能
本人確認時の離脱対策の例。

【検討ポイント6】不正リスクとコンチプラン(緊急事態への対応)

本人確認方法として新しい手法(「ホ」「ヘ」「ト」など)を追加したことで、不正な口座開設が増加するリスクに備えることも重要です。

リスクへの対応としては、口座開設に利用されている手法と、その後の口座利用状況を監視し、不正利用される口座の開設手法に偏りがある場合は、その手法を制限し、別の手法に促せるような体制・システム構成になっているか、を検討段階から考慮すべきです。

こういったコンチプラン(コンティンジェンシープラン)を事前に設けておくことはサービスに組み込むにあたって不可欠です。

【検討ポイント7】本人確認業務の統合

関連企業グループ内でバックオフィスを統一化するような仕組みも検討できます。

下の図の【例1】では、同グループ内の2つの金融機関に申し込みがあった場合にも、本人確認は1つのバックオフィスで統一して行うことができます。

【例2】は、ある金融機関への申し込み時に、ほかの金融機関の申し込みも同時に受け付ける場合、1つの金融機関でeKYCを行い、一度に2つの口座が開設できる仕組みです。キャッシュカードとクレジットカードの一体型カード申し込みは、このパターンに相当します。

本人確認業務の統合イメージ。

eKYC導入までの流れ

ポラリファイのeKYCサービス「Polarify eKYC」では、導入が決まれば3カ月後にはリリースが可能です。導入のご相談をいただいた後は、ご提案(ヒアリング含む)、要件確認を経て、導入決定後は、開発に約2カ月、テストに約1カ月を要するスケジュールとなっています。

ご要望や導入規模により、導入完了までの期間は異なります。

「Polarify eKYC」導入までのスケジュール

「Polarify eKYC」導入までのスケジュールの図。

eKYCにご興味を持たれている方、また、「Polarify eKYC」についてお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。

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Polarify 編集部

世界各国の政府・金融機関で利用される世界最高水準の生体認証技術を採用した「身元確認サービス Polaryfy eKYC」「当人認証サービス Polarify eAuth」を提供する株式会社ポラリファイのコラム編集部です。eKYCや生体認証に関する最新情報や導入メリット、活用シーンについて発信しています。